2012年04月19日

バルザーニ大統領、ハンガリー訪問

11日のクルド自治区政府公式サイトの発表によると、イラク・クルド地区バルザーニ大統領は、ハンガリーを訪問した。

バルザーニ大統領は、米国訪問の後火曜日午前中にから3日間ハンガリーに滞在した。

ハンガリー大統領、首相、外務大臣、経済大臣と相互関係強化のため訪問した。

オルバーン・ヴィクトル首相とは農業、エネルギー、工業分野での協力関係と投資について話し合った。マルトニ・ヤーノシュ外務大臣との会談では、バルザーニ大統領がハンガリーのアルビルでの領事館開設の検討を歓迎した。ヤカブ・イシュトヴァーン副議長、マトルチ・ ジェルジ経済大臣と相互協力、特に技術専門家の相互派遣について話し合った。


カシム・アスカル駐ハンガリーイラク大使を伴い中東各国の駐ハンガリー大使と地域発展と現下のイラク問題について話し合った。


また、ケヴェール・ラースロー・ハンガリー大統領を表敬訪問した。



同行者は、同行者は、安全防護庁のマスルール・バルザーニ、大統領Chief of Staffのドクター・フアード・フセイン、天然資源大臣のドクター・アシュティ・ハウラミ、クルディスタン外事部長のファラー・ムスタファ、クルディスタン投資委員会会長ヘリシュ・ムハラムである。


President Barzani meets Hungary's leaders in Budapest

Barzani arrives in Hungary


財界との会合に関しての報道は無い。


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2012年04月17日

バルザーニ大統領、イラク共和国政府のF-16でのクルディスタンへの襲撃を示唆

クルド紙ルダウによると、訪米中のイラク・クルド自治区バルザーニ大統領はイラク共和国政府がF-16でクルディスタンへの襲撃を示唆したと発言している。


米国衛星放送のアル・フラーテレビで木曜日バルザーニクルド自治区大統領はイラク連邦政府はF-16戦闘機をクルディスタンに対して使うかもしれないと述べた。

イラク軍師団長は議会の承認が必要だがこれは現状守られていない。また、マリキ首相がクルドに対して軍事解決をほのめかしたという。現在イラク国軍の参謀長と空軍司令官はクルド人であるが、18機の戦闘機を30億ドルで米国から購入することとイラク国軍からクルド人を排除に早い時期から憂慮していた。

イラクのクルド人は1980年代のアンファル作戦による虐殺に繰り返し恐怖を覚える。この作戦は5万から18万人殺されたとされている。しかしながらイラク政府はF-16は国境防衛のためだと説明する。

上記がバルザーニ大統領の主張である。


4月4日にイラクの法治国家連合のIzzat al-Shahbandarは、アルジャジーラのインタビューに対してクルド人はイラク軍弱体化を狙っていると話した。彼によれば、我々イラクはアラブ国家であると憲法に明示する権利を剥奪されたと主張している。

ジャラール・タラバーニ大統領の前チーフスタッフであったKamran Karadaghiはバルザーニのコメントは直接本人から聞いたものに違いないと考えている。イラク軍が強くなるのは危険だ。


一方、ノルウェー国際問題研究所のReidar Visserは、唯一つの可能性はクルドのキルクークの一方的な併合に対して使われるとの見解を示した。

2008年イラク北東部ディヤーラー県のカナキン(Khanaqin)はクルドとイラク軍のにらみ合いの中心地であった。300マイルの断層線に沿ってクルドとアラブの紛争の危険性があった。2011年11月キルクーク空港の返還に際して、時の首相は混乱を避けるため軍事空港でなく民間空港とし緊張が緩和された。

シーア派学術研究センターのHayder al-Khoeiは、大きな軍事衝突は無いと考えている。裏で話し合っていると考えている。イラク連邦政府がF-16でクルディスタンを攻撃すると考えるのは馬鹿げている。トルコの方が装備が優れているのにクルド問題を解決できずにいる。クルドが脅されて黙るというのは考えにくいとしている。


イラク・オイルレポートのマネージングエディターである、Ben van Heuvelenは、積年の争議は殴り合いにまで達し、クルドが原油の元栓を締め、シャハリスターニはクルディスタンの分の連邦予算をカットすると脅したと話す。バルザーニ大統領の訪問で米国を味方に付けたかった。しかし、オバマ大統領の「我々は統一されている、連邦制のイラクであればあなたたちを支持する」というのは、言い換えればバルザーニの申し出を断りマリキ支持を再確認したことになる。バルザーニ大統領は、マリキ政権に白紙委任できない、さもなければクルドが危機に晒されるというメッセージを送りたかったのだろう。

Barzani Suggests Baghdad Might Use F-16s Against Kurds

U.S. urges Kurdish leader to re-engage with Iraqi government

Iraq’s Fault Line



ルダウは、クルディスタンのアルビルにあるクルド系のニュースである。
この記事は、バルザーニとは反対側の意見も取り上げている。
同紙は、どの政党とも利権団体とも繋がりはないと謳ってはいる。

アル・フラーは、米国の非利益団体である中東放送網によって運営されている衛星放送局である。中東放送網は、米放送管理委員会からの補助金を受けている。米放送管理委員会は独立連邦機関であり、米国議会からの予算により成り立っている。アル・フラーはバグダードとドバイに支局があり、ベイルート、エルサレム、カイロには制作局がある。



クルド自治区とイラク中央政府との対立で、クルド側はイラク共和国政府が軍備増強でクルディスタンに攻めて来ると言い、共和国政府(アラブ系)はクルド人がイラク政府内でイラク軍の弱体化を狙っていると言う。バルザーニの一連の発言からは、連邦政府の脅威を利用してクルディスタン独立に持っていこうとしているか、それを臭わせて取引の材料にしているかに見える。軍隊を保持してはいても少なくともこの記事では外部よりも内部を意識している。また両者実際に考えられる危険性は指摘している。

一方外部の目では、キルクークをクルド側が併合した場合に限り軍事衝突が起こるとし、バルザーニ大統領のいう連邦政府のクルドに対する脅威は否定している。また訪米の成果も冷静に分析している。もちろんバルザーニ大統領がどこまで本気でイラク中央政府の脅威を発言しているかは分からない。

ニューヨークタイムズの300マイルの断層線記事では、クルドによる拡張主義をアラブが恐れていると表現している。


キルクークはクルド系が多いといわれる場所である。そのためか国勢調査を行わないといわれているようだ。サダムフセイン統治時代はそうだったのだろう。ただし、いつの時代もある場所である特定民族が多数派であったかというとそうとは限らない。例えばシリアキリスト教徒の不満の言葉に現れるように、元々はクルド人の土地ではなかったもののずっと国勢調査も行われず相対的に大きな流入と出生率のため、現在から見て元から多数はだった印象を与えかねないというトリックが成り立つ可能性もある。国勢調査も先送りすれば更にクルド人の人口の割合が増えているということも考えられる。



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2012年04月16日

バルザーニ大統領、米国公式訪問を終了

4月8日クルド自治区政府公式サイトの発表では、イラク・クルド地区バルザーニ大統領は、米国訪問を終えた。


クルディスタン大統領は、米オバマ大統領とバイデン副大統領、政府関係者、経営者、クルド人コミュニティーのメンバーとの会見を終えた。


ホワイトハウスでは現在のイラクの厳しい政治状況について話した。大統領、副大統領はクルドとの連帯を再確認すると共に、イラクの連邦制、民主制、統一性を支持することを再確認した。バルザーニ大統領は防衛省高官との会談で相互的関係とイラクが直面している危機管理について話し、アルビルの米国領事館によるサービスの拡張について合意した。

ワシントン近東政策研究所でのスピーチでは、バルザーニ大統領は政治状況の見通しを述べた。米国クルディスタン経済協議会の円卓評議会に参加し、米国商工会議所会頭とも会った。

エクソンモービルのCEO、レックス・ティラーソンと話し合いを持った。同CEOは公の場で述べたようにクルディスタンでの操業を再確認した。

クルド人コミュニティーとのミーティングとイラク大使館訪問で訪米を締めくくった。

次は、ハンガリーへの訪問となる。

同行者は、安全防護庁のマスルール・バルザーニ、Chief of Staffのフアード・フセイン、天然資源大臣のドクター・アシュティ・ハウラミ、クルディスタン外事部長のファラー・ムスタファ、クルディスタン米国代表クーバッド・タラバーニである。


President Barzani concludes official visit to United States


マスルール・バルザーニは、現クルディスタン大統領の息子で、クーバド・タラバーニは、現イラク共和国大統領ジャラル・タラバーニの息子である。


公式サイトではあるが、「イラクの連邦制、民主制、統一性を支持することを再確認した」となっている。クルディスタンを支持するとはオバマ米大統領は言っていないということになる。一見、歴史的、シリア情勢関係で米国とクルディスタンはイラク中央政府より近い関係にあるようみ見えるが実際のところは違うようである。クルディスタンが反アサド勢力に見えるカタール、サウジアラビア、トルコに組していても、選ぶ側は米国である。

石油に関しては、エクソンモービルがどうなるかの決着がつかない。イラク連邦政府は完全にエクソンを切ることはできないようだ。毎回報道では常に何か進展があったように書かれるが実質的に動いていないようである。今回の面談もエクソンが共和国政府と話を持つ場合はまた違った対応になることは十分考えられる。



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