2012年02月19日

キリスト教徒はアサド・バアス党を支持する

シリアのキリスト教徒はアサド政権を支持している。政権支持を表明するデモに参加している者の一部は実はキリスト教徒である。

バアス党、アラブ社会主義復興党政権の双子のイラクが崩壊しもう一方のシリアも危機の中にある。政府が世俗主義に近いアラブ民族主義的立場を標榜しながらも、イスラム強硬派の跋扈を留めキリスト教徒にとっては心地良かった時は失われつつある。

米クリスチャンポストに載ったCNNのインタビューでのイラク共和国シーア派イスラム教徒ハシミ副大統領の見解は、別の宗教であるシリアのキリスト教徒アルメニア人の発言によってそれが正しいことが証明された。

北アフリカ、中東での民主化を叫ぶアラブの春が進めば、スンニ派イスラムベルトが形成されることになる。デモクラシーへと進んでいたと感じていたものが、反対のテオクラシーに行くという矛盾が生ずる。

クルド系はマイノリティーとして最大と言われ現在は様子見であり将来は少なくとも連邦制に移行したい勢力であり、もう一つのマイノリティーであるアルメニア系は現政権支持である。マイノリティーが抑圧されているという単純化された構図は修正する必要がある。

引用記事で、改革はどこの国にも必要だが暴力的革命は不要だという当たり前のことが述べられている。


以下、各紙より。

トルコ・ヒュリエット紙は、アルメニア・ナウを引用して、シリアキリスト教徒の立場を載せている。

ヒュリエット
クルド系はアサド政権崩壊を望んでいるが、8万人強のアルメニア系はアサド政権後を懸念している。現政権崩壊後キリスト教徒特にアルメニア系に対する暴力が渦巻くようになることを心配している。アルメニアはシリア系アルメニア人の受け入れを表明したが大規模な流入は望んでいない。


Kurds, Armenians in Syria seeking for exit
February/14/2012
ARBIL / YEREVAN



アルメニア・ナウ

アルメニア人コミュニティーの中心地であるアレッポで2月10にあった爆発の28人の犠牲者の内の一人がアルメニア系であった。彼は徴兵されたアルメニア人であった。他のアルメニア系が多い都市は、アレッポ、ダマスカス、ラタキア、カーミシュリ、ケサブがある。シリアのアルメニアン・コミュニティーは中東で最大であり、アサド父子の30年間豊かで安全な生活を送ってきた。

しかしながら、シリア現政権反対派の最大の集団はイスラム教徒と反キリスト教徒で、彼らの移行政権はトルコで結成された。アルメニア系はロシアが外国のシリア軍事介入を反対することを望んでいる。

アルメニアのイラクからの受け入れ経験からすれば、今回シリアからの受け入れはアルメニア系難民はそれほど多くは望めないだろうとしている。

Exit Plan: Armenians of Syria may need escape if Assad regime collapses
Human rights | 13.02.12 | 12:20



アルメニアン・ウィークリー

アルメニア系は中立を保っているが、非公式にはアサド政権を支持している。アルメニアコミュニティー、一般的にはシリア・キリスト教徒は人口の8から10パーセントを締めている。

昔はシリア国内は夜間に移動しても何も不安は無かった。

一方のイラクでは、サダム・フセインは独裁者であったが、宗教的狂信者に目を光らせていた。現政権は野放しにし暴力は広がるばかりである。イラク国内の半数のキリスト教徒は国外へ脱出した。そして二度と戻ることは無いであろう。数世紀にわたるキリスト教文化は失われている。

ムスリム同胞団や強硬路線のスンニ派イスラム教徒グループが権力を握ると自由は失われるだろう。実際にアルメニア系シリア人はアサド政権支持を街頭に出て表明している。しかし、もし崩壊した場合は反逆者とされ魔女狩りに遭う恐怖を感じている。

そこで中立が最も賢い道であると考えている。


Between a Rock and a Hard Place: The Armenians in Syria
Posted by Nanore Barsoumian on February 16, 2012 in News, Special Reports



Ya Libnan

アルメニア系は外国の介入を恐れている、特にトルコの介入を。シリアの反対派は半公式亡命政権、シリア国民評議会(SNC)をトルコ・イスタンブールで結成された。そのシリア国民評議会はムスリム同胞団に支持されている。

多くのオブザーバーは、もしアサド政権が倒れると、新政権はより権威主義的になると予測する。

アラブの春がイスラムの冬になると警告している。バイブルベルトならぬ、スンニ派イスラム・ベルトが北アフリカ、中東に出現する可能性がある。チュニジア、エジプト、パレスチナ(ハマス)、シリア(ムスリム同胞団)、ヨルダン、トルコ(現政権公正発展党)のベルトが。

また、アサド政権が崩壊すればアラウィー派、ドルーズ派、クルド人が特定の地域のコントロールをする可能性がある。

イスラム過激派が新政権を握る可能性は少ないが、移行期間に標的にされるかもしれない。一方エジプトでは現にキリスト教徒少数派に対する脅威が既にあるとする人もいる。


6万から7万人のアルメニア系、0.5パーセントの人口をシリアに占める。半数はアレッポに住む。そのアルメニア系は、アルメニア語を教える機会を与えられ、教会でミサを執行できた。シリアとアルメニアは良好な関係を維持してきた。トルコとシリアが心地よい関係をここ10年続けていたときでも。

多くのアルメニア系シリア人がアルメニア市民権申請を行っていることは秘密ではないが、直ちに国外脱出を意味するわけではない。

シリアに改革は必要だが暴力によってではない。どこの国にも改革派必要だ、先進国でさえ。
誰にも憎悪と破壊の種を撒く権利は無い。

Syria’s Armenians: Between a Rock and a Hard Place
February 17, 2012 ⋅ 5:36 am



ヒュリエットは、トルコの大衆紙。
Ya Libnan (Oh Lebanon)は、ボランティアによって運営されるレバノンのサイトである。
アルメニア・ナウは20人強の編集者で発行されている。
アルメニアン・ウィークリーは、米マサチューセッツ州で発行されている。



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posted by taka at 11:35| ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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