2012年02月29日

アゼルバイジャンにとっての悪の枢軸

24日アゼルバイジャンのニュースサイトで、シリア、イラン、アルメニアに関する記事が掲載された。

基本的にアゼルバイジャンの意見であるが、日本の報道資料からは見えにくい部分に光が当てられており役に立つ記事である。

以下、記事より。


[シリア・アルメニア]
シリアには強力なアルメニアン・ロビーがある。アルメニア人はアサド政権支持であり政権崩壊を恐れている。

シリア出身のアルメニア大統領が出た。アルメニア共和国初代大統領レヴォン・テル=ペトロシャンだ。彼は、シリアのアレッポの生まれだ。生まれた翌年アルメニアに渡っている。アレッポはシリア最大のアルメニア人コミュニティーと呼ばれている。


[イラン・アルメニア]
イランは本来は宗教的にはアゼルバイジャンを支持すべきだ。というのは、アゼルバイジャン人口のほとんどがイスラム教徒でシーア派が大多数である。シーア派人口はイランに次いで多い。にもかかわらず、イランはアゼルバイジャンよりもアルメニアを支持する。

これは政治要因が大きい。イランにとって経済的にはアルメニアは取るに足らないが、アルメニアにとっては大きい。イランが国際的に制裁にあってもアルメニア経由でそれを逃れることができる。米国も個別にあるアルメニアの会社に対して制裁を科したことがある。つまり経済関係でなく政治関係のため取引を続けているのである。イランは米国のアルメニアン・ロビーを有効に使っている。


[イラン・シリア]
両国は世界的に孤立した2ヶ国である。


[新・悪のトライアングル]
よって、(アゼルバイジャンにとっては)シリア、イラン、アルメニアは悪の枢軸である。
 


Şər üçbucağı: İran-Suriya-Ermənistan
Yerləşdirilib: 24.02.12

Triangle of evil: Iran-Syria-Armenia
Sun 26 February 2012 13:34 GMT | 8:34 Local Time

Kurds, Armenians in Syria seeking for exit
ARBIL / YEREVAN
February/14/2012

Our foreign policy on Syria is the same as al-Qaeda's – something isn't right here
By Peter Mullen Last updated: February 13th, 2012

Between a rock and a hard place: The Armenians in Syria
Friday, 17 February 2012
Armenian soldier Viken Hairabedian's funeral



アルメニア人とクルド人は国外へ出る。

一方は自身が国外へ脱出する準備をし、一方は居住地を国外として切り離そうとする。

シリアでマイノリティーが抑圧されてきたという印象は的外れである。
少数派には、少数民族と少数宗派の2つの意味があるが、アルメニア人は少数民族かつ少数宗派(キリスト教徒)であり、一方クルド人は少数民族ではあるが大部分はスンニ派イスラム教徒で宗教的には多数派となる。

アゼルバイジャンから見るとアルメニアは単に隣国の紛争相手だけとしてではなく、悪を支える国として映る。心情面とは別に、アゼルバイジャンの非難から、シリア・イランの粘り強さは、ロシア・中国によるものだけではないことが見えてくる。

米国の外交問題に強い影響力を及ぼすトップクラスのロビー団体の一つとしてアルメニアンロビーが挙げられる。また、中国人(華僑)、インド人(印僑)、ユダヤ人、アルメニア人が商売上手な民族と言われている。実際のところは不明とされるが、危機に際してその国で重要な役割を果たしていた民族が分かる。例えばインドネシア暴動で海外に逃れる集団があった。こうした民族が大国・強国・地域有力国の中で活躍しまたは行き来していることが見えてくる。

力の衰えかもっと別の理由の犠牲になっているかは不明だが、今回のシリアの混乱で雑学のように漠然と語られるだけであったアルメニア人の姿の一端が垣間見える。



kaspi.az はバクーにある報道サイトである。


関連記事
バアス党国家民主化の未来とキリスト教徒の運命

クルド共和国独立宣言の日 - パン・アルメニアン

キリスト教徒はアサド・バアス党を支持する

イラク・クルド自治区でクルド語の標準化の講演 - アッシリア人キリスト教徒の町

イラク副大統領、国内キリスト教徒の将来は厳しいと語る
posted by taka at 14:04| ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月28日

クルディスタンの独立宣言、時期尚早

26日クルディスタントリビューンにクルディスタンの独立に関するインタビュー記事が掲載された。

クルディスタントリビューンは、Dr. Marianna Charountakiにクルディスタン、クルド自治区と米国、アラブの春以降などについてインタビューをした。

クルド民族自決については、自治の形か独立の形を取るかはクルドの運動の目標になるが、イラク・クルド自治政府KRGは事実上の独立国家である。また、法的国際的に標準化されたクルディスタンというものは存在しない。

現状は独立宣言する時期ではない。それは政治状況のためでなく、クルド自治区それ自体が、内陸に閉ざされ、天然資源の海への出口が無い状況だからだ。それが最もクルディスタンの独立を妨げる要素だ。クルドの独立が短命で終わることの無いように外部の支持も得ておくべきだ。

アラブの春以降のイスラム政党の出現による政治については楽観視している。

The Kurds do not want to see a short-lived Kurdish state once more


バグダッド・ペルシャ湾岸とトルコ・ジェイハンの2つの出口があり、両国それぞれに綱引きさせているのがクルド自治区政府の現状だ。将来現シリア側から地中海に抜けるもう一つの出口が確保できれば「事実上の」という条件は不要になる可能性は高まる。バルザーニ大統領が武力闘争の時代は終わったというが、シリアのクルドを支援し資源の海への通路を確保するという目標を達成できるかどうかは、分かりやすい動きであり、状況がそれを許すかどうかは不明だ。


関連記事
アラブの春
キリスト教徒はアサド・バアス党を支持する

出口と独立
イラク・クルディスタン地域の将来性

クルド共和国独立宣言の日

イラク、非常時と平時
posted by taka at 14:30| ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

PYD、国民投票棄権

26日クルド系のフィラットニュースによると、シリアのクルド系団体のDemocratic Union Party (PYD)は国民投票をボイコットすると発言している。

予想では、1460万人が国民投票に行くと見られている。

PYDの代表、サリーハ・ムハンマドは、新憲法草案ではクルドに関して基本的な問題の解決を示していないと言う。西側が支持するシリア国民評議会も棄権すると見られている。また、西クルディスタンと呼ばれクルド系が多い地域、アレッポ、カーミシュリ、エフリンの大部分がボイコットするという。

サリーハ・ムハンマドはSNCが約束するというクルドの自治は意味を成さない発言だとしている。また、外国の干渉と武装反勢力に反対している。トルコがシリア反政府をトルコ内で訓練しシリアの送り出していると指摘した。


Polls open in Syria as Kurds boycott referendum
26 February 2012

PYD boycotts constitution referendum in Syria
Sunday, 26 February 2012 14:21

<シリア>憲法改正是非の国民投票始まる - 反体制派はボイコットを呼びかけ
毎日新聞 2月26日(日)21時24分配信


大まかに言えば、PYD、1月28日29日にイラク・クルディスタンのアルビルでの会議に出席したクルド系政治団体、SNCの3者は国民投票に反対の立場のようだ。また、クルド系は反政府武装闘争には積極的に関わらないようであり、他の反政府団体が行うのを眺めているようだ。

クルド系の国民投票棄権の理由は憲法草案にクルドの権利が認められないためであるが、その他の反政府団体は理由の差はどうであれ初めから手続き型の政治闘争を放棄して武装闘争を選んでいると看做されかねない。

現政権が弱体化したときにクルド系の政治団体が独自に自治を主張するか、移行政権、新政権と交渉して自治を獲得するかは情勢によるため不明である。また、現在はアサド政権寄りと噂のあるPYDは政権崩壊後どう動くかが注目される。


関連記事
シリア・アラブ共和国憲法草案

SNC、クルドの権利容認の方向

シリア国内デモとクルド系シリア人の対立と「自決」

シリア、次の次と外国の影響

クルド系シリア人は団結により力を増す
posted by taka at 05:00| ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
クルドニュース
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。